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第8回iPERCセミナーを開催しました

2019/08/07

 7月18日、光創起イノベーション研究拠点では、U.C.Irvine Beckman Laser InstituteのProject ScientistのRobert Virgil Warren先生をお招きしてiPERCセミナーを開催しました。
 Warren先生は、前回までJournalClubのご指導をいただいていたU.C.Irvine Beckman Laser InstituteのBruce J. Tromberg教授の元で学位を取得された方で、Biomedical Opticsを専門とし、循環器疾患に対する運動や体重減少、更には早期のリスクファクターを評価する新しい光学的な手法を研究されており、今回は”Diffuse Optical Spectroscopy: Techniques and Biomedical Applications.”と題して、ご講演いただきました。
 ご講演では、世界の死亡者数の31%(@2015)を占め、その半数が無症候性という心血管疾患(CVD)の早期診断への応用が期待される”Diffuse Optical Spectroscopy”という、新しい医療診断技術の基本原理とその臨床応用についてご説明いただきました。この技術は光を用いて非侵襲的に、全身の組成、および代謝的性質を明らかにできるもので、既に近赤外分光法(NIRS)において、モディファイド・ランベルト・ベール則(Modified Beer-Lambert Law)を用いた連続光法(CW-NIRS)が、脳酸素代謝モニターとして広く利用されています。術中の脳組織の酸素飽和度(ScO2)の低下が脳機能障害を引き起こすリスクファクターとなること、心臓胸部外科領域の転帰予測、膜型人工肺(ECMO)下の脳酸素代謝モニターとして、臨床的な成功を収めているとのことです。
 また、より定量的な計測手法として、光拡散方程式に基づいた時間分解分光法(TD-NIRS)、位相変調分光法(FD-NIRS)、Spatial Frequency Domain Imaging (SFDI)が紹介されました。TD-NIRSは、運動負荷中の脳や筋肉中の酸素化へモグロビン、および脱酸素化ヘモグロビンの濃度[μM]を定量可能で、この変化から血管内皮細胞の機能を評価することで動脈硬化や心血管疾患(CVD)の診断が可能とのことです。また、FD-NIRSと多波長CW-NIRSとの組み合わせは、組織のヘモグロビンのみならず、脂肪、水といった体組成の評価を可能としているということです。SFDIは従来のNIRSとは異なり、非接触で表層組織の大面積観察に用いられており、UC Irvineのベンチャー企業“Modulim”は、この技術を商品化しているとの紹介もありました。
 当日は、静岡大学や光産業創成大学院大学、浜松ホトニクス(株)の学生、教員、研究者25名が参加し、熱心に聴講しました。

20190719_Warren先生 20190719_Warren先生講演会

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